ジョジョ展とタクシーアプリの話

9月の金曜日、その日は新国立美術館で開催中のジョジョ展のために東京にいた。
新宿から副都心線で明治神宮前駅へ、そこから千代田線で美術館最寄りの乃木坂駅へ向かうつもりだった。

が、明治神宮前駅で千代田線のホームへ向かおうとすると、なにやら騒がしい。 ホームに出るとけたたましいサイレンが鳴り響いていて、停車中の電車は動く気配がない。

サイレンでかき消されてろくに聞き取れないアナウンスによると、当駅での人身事故のため運行は停止中、再開は1時間後の予定とのことだった。
何人かの駅員が、停まっている列車の下を覗き込んでいた……。

今見たものを無理やり頭の隅に追いやりながら、ホームをあとにする。
スマホで乃木坂までのルートを検索するが、地下鉄以外は車と徒歩しか出てこない。バスはないらしい。徒歩は30分。 ジョジョ展のチケットは入場時間が指定されているため、もたもたしてたら入れなくなってしまう。

こうなったらタクシーだ!と原宿駅前の通りに出る。
さすが東京。田舎と違ってばんばんタクシーが通るが、金曜だし雨も降っているものだから誰か乗ってるor迎車ばっかり。

詰んだ……もう歩くしかないのか……と思って、もう一度Googleマップで道順を検索すると、このアイコンに気づいた。

そうだ、確かタクシーを呼べるアプリがあった! ずっと以前に入れて、ついぞ使う機会がなかった「JapanTaxi」を起動する。急いでユーザー登録を済ませ、空きタクシーを検索。

GO 《ゴー》 │ タクシーが呼べるアプリGO 《ゴー》 │ GO株式会社
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1回目は空車なし。続けてもう一度検索するとヒット!新宿御苑のあたりにいて、10分ほどで来れるとある。秒で注文確定。

呼んだタクシーの現在位置がリアルタイムでアプリに表示されるのだが、これがものすごいスピードでやってくる。5分ぐらいで目の前まできた。車線が反対だったので慌てて信号を渡る。
路肩につけたタクシーに駆け寄ろうとすると、道を歩いていたお姉さんがタクシーを拾おうとしている。運転手さんは迎車だからと断っている模様。

助手席のドアから「アプリで配車を頼んだものですが」と声を掛けると、名乗るように言われ、名前を告げると無事乗ることができた。
なんでも、運転手の方から「山田さんですか」等と声を掛けると、呼んでないのに「そうです!」と言って乗ってくる不届き者がそれなりにいるらしい。なので客に名乗らせるのだそうだ。なるほど……。

駅前にさっきの人身事故のせいか、救急車やらパトカーが集まってきた。
「なにか事件ですかねえ」という運ちゃんに人身事故の話をする。「そりゃあ大変でしたね」と、ゆったりとした感じのいい人だった。
「お迎えめっちゃ早かったですね」というと、たまたま信号が全部青でノンストップで来れたそうだ。運が良かった……。

15分ほどで美術館に到着。支払いはアプリ内で済んでいるので、領収書をもらうだけで終わり。

おかげでジョジョ展とその後の六本木ヒルズでのジャンプ展、堪能できました。
インターネットバンザイ、スマホバンザイ。文明に感謝した日だった。

国立新美術館から六本木ヒルズへ向かう道にあったレストランの看板。
あからさまな便乗商法……だが許す。

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